「社会人・新卒合同の就職説明会」

三井物産が2月7日から3日間、優秀な人材の採用を目的に転職志望の社会人と新卒が一堂に会する就職説明会を開催したというニュースが話題になりました。

新卒の一括採用に対する違和感から国籍など属性を問わない通年採用を行うという発想は非常に評価できると思いますが、留意しなければならないポイントもあるのではないでしょうか。

私は中途採用と新卒採用両方の支援に携わらせていますが、社会人と学生に企業を説明する際には違うアプローチをしています。

当たり前ですが、社会人と学生ではそれぞれ持ち合わせている体験や情報に大きな差があるからです。

基本的に大半の学生は社会人としての体験がなく、企業・仕事を選ぶ際の判断基準が未成熟と言えます。

その結果自身が知っている企業、いわゆるブランド企業に目が行きがちで、実際に自分自身の能力が発揮できる場所かどうか?自分がそこで活躍できるかどうか?までを意識して就職先を決めるという学生は少なく、実際に働いてから判断することが多いのが現状です。
(“まずはやってみる”ということは、それはそれで重要なことだと思いますが)

一方社会人経験のある転職志望者の大半は、既存の業務や職場環境によって少しずつ自分の存在価値を意識し始めると同時に、今以上にそれを発揮できる場所を求めているケースが少なくありません。

つまり、社会人と学生では職に就く動機が違うということになります。

海外旅行で例えると、海外旅行未経験者は行き先を決めるのに情報収集をするわけですが、いきなりアフリカや南米に行く人は少ないですよね。

基本的には韓国やハワイといった、安定感があって日本人のよく訪れる観光地を選択する傾向が強いと思います。

逆に海外旅行慣れした人達は、過去訪れた体験を基に行先を決めることが多いものです。

そういった旅慣れていない人と旅慣れている人を一堂に会して海外旅行の案内をしても、どちらにフォーカスした話をすればいいのか私だったら悩んでしまいそうです。

転職・就職を海外旅行と比較すること自体ナンセンスだと思いますが、要は属性によって必要とされる情報が違うという点では同じことが言えると思います。

ただ目的が明確な海外旅行であれば話は別です。

オリンピックやワールドカップの応援のための海外旅行であれば、日本チームを皆で応援することが目的であり、海外旅行の経験はあまり問わないわけです。

そういう意味では、転職志望の社会人と新卒の学生を一堂に会した就職説明会で発信されるべく情報は、その会社の持つ価値観や存在意義といった内容であれば納得ができます。

価値観の共有、この視点であれば社会人も学生も(或いは国籍も)同じ目線で理解できるはずですから・・・

 

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