「学生をステークホルダーとして捉える」

先日、とある上場企業さんのセミナーをコーディネートさせていただきました。

主旨としては、就職ナビでは集まりにくい一定志向の学生の興味を喚起し、選考に誘導するというモノでした。

結果はこれからですが、このセミナーを通してひとつの気付きを得ました。

このセミナーでは、その企業の「中期経営計画」を学生にプレゼンし、それを基に新規事業を考えるというワークショップを行います。

参加学生は事業方針や事業戦略、更には財務関連の専門用語に悪戦苦闘するわけですが、想像以上に全体を理解をしてくれていたように思います。

通常の会社説明会では、一般的に経営理念から始まり、組織風土、事業や仕事の内容、求める人物像、募集要項や待遇といった情報を提供するのがスタンダードです。(最近はかなり凝ったコンテンツも少なくありませんが)

今回のセミナーは、そもそも会社説明会ではないので、そういった情報はほぼ皆無。

通常投資家や株主を対象にした、いわゆるIR情報を学生に対して伝達したわけです。

私の気付きというのは、学生達がIRでは一般的な企業の「課題と対策」という言葉に反応していたことです。

シッカリとリサーチしたわけではありませんが、あくまでも私の主観です。

前述の通り通常の会社説明会では、あまり語られない企業の「課題」。

企業は会社説明会を通して、学生に自社を「良い会社」として捉えてもらおうと考えます。

そのために発信される情報の大半は、学生にとって耳触りの良いモノになりがちです。

そういったたくさんの企業の、たくさんの耳障りの良い情報をインプットした学生達は、おそらく迷いが生じ、意思決定をする上で非常に悩んだり、やもすると少しでも給与が高い、休みが多い会社を選択しようとするのではないでしょうか?

会社説明会のスタンダード情報はもちろん必要ですが、もう少し学生をステークホルダーとして捉えて、会社の健康状態(財務に関する情報など)や今後会社を成長させるための課題を明確に伝え、その上で皆さんの力が必要であるといったメッセージを送るということが必要ではないかと考えます。

そうすることで一部の学生は、その課題を自らが当事者として解決しよう!と考える可能性もあり、気概のある、腹の括れた人材を採用できるかもしれません。

もっと学生の企業選びに株主目線を持たせ、自分の体力・能力を投資する会社として望ましい会社はどこか?といった指導も必要になりますね。

企業にとって学生は、雇用対象でもありますが、その前に一人のステークホルダーであり、顧客であり、将来の株主にもなり得ます。

今回の気付きを基に、学生と企業との情報交換の在り方を再考したいと思ってます。

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