「迷走するインターンシップ」

立て続けにインターンシップに関してコメントしたいと思います。
今回は、「インターンシップの迷走」についてです。

「インターンシップの目的」と「インターンシップの期間」

何が迷走しているのか?ですが、大別すると以下の2つに分かれると考えます。

1.インターンシップの目的
2.インターンシップの期間

最初の「インターンシップの目的」については前回のコラムでも触れましたが企業側と学生側それぞれにおいて、採用と就活という明確な目的が大半を占め始めてきました。

それ自体決して悪いことではないわけですが、重要なことはお互いが(特に企業側が)その目的をちゃんと伝えることだと考えます。

採用目的なのか?マンパワーの補充なのか?地域貢献なのか?大学との関係構築なのか?主たる目的を明確にして募集することが、両者にとってメリットになるのは言うまでもありません。

今回注目するのは、「インターンシップ期間」に関する迷走です。

8月29日の日経新聞の夕刊に、以下の記事が掲載されました。

経団連は年内にも、会員企業向けの採用活動の指針で定めているインターンシップ(就業体験)の下限日数を短縮する方向だ。
現在は最低5日間としているが最低3日間に引き下げる案が軸となる。
インターンを開く企業は増えており、学生の関心も高まっている。
日数を減らすことで企業が実施回数を増やせば、学生も参加しやすくなる。

 
この記事に違和感を感じた方も少なくないのではないでしょうか?
多くの調査結果によると、企業が実施している或いは今後実施予定のインターンシップは1日、いわゆるワンデーインターンシップが主流です。
経団連に加盟していない企業は、上記の下限日数5日間を遵守する義務自体がないわけですが、私の知る限り多くの経団連加盟企業でもワンデーインターンシップは恒常化しています。
ですから、上記の記事は経団連が「お願いだから、せめて3日くらいはやって欲しい・・・」という願望を伝えているかのように見えてしまいます。

ワンデーインターンシップの価値

個人的にはワンデーインターンシップの目的・価値を明確にし、いっそのこと公認してしまえば良いと思うのですが、経産省・文科省・厚労省という3つの省庁が絡んでいることを考えればなかなかそうもいかないのも頷けます。

結局「インターンシップの期間」は、前述の「インターンシップの目的」と連動しています。
私は「採用目的にワンデーインターンシップ」というのは大きな価値があると考えます。
通常の会社説明会よりも、はるかに長い時間をかけて会社や仕事を理解できる機会ですし、社員とのコミュニケーション量も十分取れます。
お互いを理解し合うための非常に有意義なインターンシップと言えます。
採用スケジュールもそうですが、ルールや規定が迷走すると、関係者には正直迷惑な話であって、迷走するインターンシップに企業・学生・大学はもちろん、当社のような支援組織も振り回されてしまいます。

そろそろ現実や実態を直視した施策を期待せずにはいられません。

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