「もしも、2017卒採用の選考開始が6月に前倒しされたら」

2016卒採用のスケジュール変更について、多くの企業や一部の大学から「見直し」を求める声が後を絶たないようです。

その声に呼応するかのように、日商や経団連から2017卒採用の選考開始スケジュールを現在の4年時8月1日から6月1日に前倒ししてはどうか?という声が上がってきていることは、周知の事実です。

この変更の可能性が果たしてどの程度なのか?

判断に非常に悩むところですが、経済界に影響を持つ主要団体の声ですので、決して確率が低いとは思えません。

おそらく11月中旬くらいまでに正式な決定がなされると思いますが、既に2017卒採用の計画を固めつつある採用担当者からすると、他人ごとではないのではないでしょうか。

そこで今回のコラムは、選考開始時期が2カ月前倒しになると、採用市場にどんな影響が出てくるのかをあくまでも主観ベースでお伝えしたいと思います。

まずポイントを整理したいと思います。

3年時の3月1日採用広報解禁、これは既に主要の就職情報会社がナビやイベントのスケジュールを広報し、多くの企業が申し込みをしていることを考えると今更変更するというのは非現実的です。

ですから、採用広報の解禁はそのままで選考開始の解禁が2ヶ月前倒しになるということは、単純に選考期間が2ヶ月間短縮されるということになるわけです。

つまり「指針」を遵守した場合、3月の採用広報解禁から選考開始までの期間(いわゆるオフィシャルに学生と接触できる期間)が前年は5カ月間あったのに対して、2017卒においてはそれが3ヵ月間になります。

これをどう捉え、どう対応していくかが極めて重要になってきます。

では果たしてどんなことが予想されるのでしょうか?

今回はあくまでも企業の立ち位置から、想定されるリスクとその対策について簡単にまとめてみたいと思います。

【企業にとってのリスク】
①実際に出会える学生の総数が減少する可能性が高い
②出会った学生とのコミュニケーション量が減る可能性が高い
③短期間で学生の見極めと惹きつけを行わなければならない

といったことが考えられます。

ではどう言った対策を取ればよいのかですが、まずは実際に出会える学生総数を減らさないということであれば、3月以前にどれだけ学生と接触できるかがポイントになります。

合わせて、数が減るのであれば質を上げなければなりませんので、出会える学生の中における「自社が採用したい学生」の比率をどれだけ上げられるかを検討するしなければなりません。

リアルイベントで、「これは」という学生に対しては即個別対応したり、スカウトサイト等の活用も有効的な手段と言えます。

出会った学生とのコミュニケーション量の減少については、短期間でコンパクトに出会う回数を増やすということと、1回あたりのコミュニケーションの濃度を上げねければならなくなります。

採用人数と採用マンパワーにもよりますが、説明会以外で自社の理解が深まるようなセミナーやイベントなどを複数実施するといった対策や、個別面談等も検討しておいた方が良いかもしれません。

それと短期間で学生の見極めと惹きつけについてですが、これはリクルーターや面接官のスキルアップと的確なフローの設計・仕組化が必要だと思います。

改めて自社の採用市場における「資産」や「強み」は何か?自社が採用したい学生はどんな情報を求めているか?どのタイミングにどんな情報を提供するか?といった準備をしておきましょう。

最後になりますが「もしも、2017卒採用の選考開始が6月に前倒しされたら」・・・

●早期から学生と接触し、オンシーズンはガチンコ勝負して採用を成功させる
●リスクヘッジとして7月以降の採用活動戦略を今のうちから立案しておく

という基本方針の下に採用活動に臨まれることをお勧めします。

状況にもよりますが、このテーマの採用担当者向けセミナーを実施する予定です。詳細が決まりましたら改めてご案内させていただきますので、その際は奮ってご参加いただきますようお願い致します。

▼現在ご案内中のセミナーの詳細はこちら 2015年11月18日(水)開催 自社の選考方法は本当に正しいのか? 「2017卒選考フロー最終チェック」セミナー