企業の採用活動とは、出来るだけ多くの学生を集め(いわゆる母集団形成)その中から自社に合う、自社で活躍する確率の高い人材(優秀な)を選抜していく活動である。
こういった至極当たり前と思われる考え方が少しずつ崩れ始めているように感じます。
背景には学生の売手市場化という採用市場の変化が大きく起因していますが、それ以上に社会全体や学生の価値観の変化が影響しているのではないでしょうか。
日常の消費活動における潮流に似ているように感じます。
具体的に言いますと、モノを企画・製造していたメーカーがある程度消費者をコントロールしていた時代から、消費者に直接モノを届ける、消費者の声が直接届く流通・小売が力を持つようになり、そして現在では流通・小売以上に消費者自体が最も影響力を持つようになったと言えます。
採用・就職の市場も同じような構造になりつつあるようです。
仮に消費者を学生に例えると、流通・小売が我々のような採用・就職支援の会社、そして採用する側の企業がメーカーというイメージです。
現在の売手市場においては、学生が圧倒的に影響力を持っていると言えるわけですから、メーカーの立場である採用する側の企業は、商品企画同様にいかにターゲットである学生の志向や価値観、行動パターンを予測して採用活動を行うという視点が非常に重要になってきています。
とは言え、決して学生に迎合するということではなく、前述にある採用活動の既成概念のパラダイムシフトが必要になってきたのです。
企業が学生を選抜するのと同様に、当たり前ですが学生も企業を選んでいるわけですから、本来両者は同等の立ち位置にいます。
こういった考え方を理解している企業・採用担当者の方は増えてきていると実感していますが、理解はしているものの実際の採用活動にそれが反映されていないケースが散見されます。
よく採用担当の方から耳にするのが「もっとホンネで話をして欲しい」「真実を話して欲しい」と言った、学生に対する要求です。
実は学生も同様の感想を持っているということを認識する必要があります。
あの会社は「ホンネで会社を説明して欲しい」「曖昧なことではなく事実が知りたい」といった声が多くの学生から聞こえてきます。
何だか変だと思いませんか?
お互いが「ホンネ」「真実・事実」を話さないで、理解を深めようとしているなんて・・・
改めてお伝えします。
採用と就職において、企業と学生は対等なのです。
学生達に求めていることをそのまま企業側も行うべきだと考えます。
まさにRJP(Realistic Job Preview)ですね。
採用広報において、自社のホンネを自社の事実を伝え、判断を学生に委ねるという発想に基づいた採用設計・採用戦略が結果的に採用成功に繋がるのではないでしょうか?
私たちの採用支援のコンセプトでもある「学生に対する積極的な情報開示・情報提供」を新卒採用のスタンダードにできるよう、微力ながら頑張ります!!