「インターンシップのパラダイムシフト」

前回のコラムでは、「インターンシップの影響力」について触れましたが、今回は「インターンシップのパラダイムシフト」について言及したいと思います。

ではどんなパラダイムシフトなのか?

結論としましては、採用を目的にしないインターンシップを導入するということです。
これだけインターンシップを導入する企業、参加する学生が増えてくると、インターンシップの一般化、大衆化が顕著になってきます。
そうなると、早期に一定レベルの学生を対象にしていたインターンシップが、ただの会社説明会になり下がってしまう可能性が高まってしまいます。
要はインターンシップと本選考の価値が同化し、差別化が図れないということになります。

特に本選考で優秀層・上位層が集まりにくい中小企業、ベンチャー企業においてこの現象は大きく採用戦略を見直さなければならい事態を招きかねません。
もちろん、プログラムの企画次第で一定レベル以上の学生を集客し、成果を上げることは可能ですが、冷静に市場を見るとその確率はますます低下すると予想されます。
そこでインターンシップのパラダイムシフトです。

ズバリ採用目的のインターンシップと決別するという選択です。

そもそもインターンシップを採用目的で実施していないという企業も少なくありませんが、大半の企業は、インターンシップを通じて本選考にはなかなか来てくれない優秀な学生との接触を期待しているものです。
そのこと自体は否定するものではありませんし、むしろ考え方としては正論だと思います。
では採用目的以外で工数や予算が発生するインターンシップを実施するのか?
当社でも実施しているのですが、ある意味の人材投資、つまり採用以外のリターンを期待したインターンシップを実施するという考え方です。

もう少し具体的に言うと、売上の向上はもちろん、頓挫しかけているプロジェクトの再導入、既存社員のマネジメント力の強化といったリターンが考えられます。
単なるマンパワーの補完という考え方では、インターンシップそのものの価値が下がり、学生の満足度そのものが低下し、却って企業ブランドを棄損して可能性があるので、その点では十分配慮する必要があります。
当社の例で申し上げると、新規事業の立上げのコアメンバーとしてインターン学生を迎え入れています。
期間限定だったり、納期が明確に決まっていプロジェクトや、緊急度はそれほど高くないが、数年後の自社の成長エンジンになる可能性があると思われるプロジェクトなどは多くの企業に必ずと言っていいほど存在するものです。
まずは一度それらを洗い出し、実行に必要となる要件を整理しながらインターンシッププログラムに落とし込むのです。
そこが明確になれば、採用同様に広報戦略、運用(マネジメント)のシミュレーションなどを作り込んでいくことになります。

このインターンシップが、自社にとっても学生にとっても満足度の高い成果を生めば、結果的に採用成功という「副産物」を得られる可能性も高まってきます。
そういう意味では、別にインターンと銘打たずに、期間限定の就活に役立つ学生アルバイトという視点で募集・実施するという考え方でも構わないと思います。
つまるところ自社の成長に何かしら起因し、学生も成長する。
そして、そのプロセスで自社の理解が深まり、就職先の1社として捉えてもらう。
このことを実現させるインターンシップのパラダイムシフトをお勧めします!

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