当社の採用支援サービスが、なかなか分かりにくいということもあり、現在マーケティング戦略を立案しています。
そこで目からウロコと言いますか「うん、なるほど!」と感じたことがあったので、今年最後のコラムではそのことをお伝えしたいと思います。
至極当たり前といえば当たり前なのですが、あまり世間では声高に言われていないように感じた内容です。
それは、企業の採用活動と学生の就職活動が、同じ手順を踏んでいるということです。
普段採用担当者向けのセミナーでお話させていただくことが多いのですが、たまに学生向けに就活支援セミナーで話させていただく機会もあります。
その時に話している内容(採用活動の手順・就職活動の手順について)が、どうも同じ流れになっている、もっと言うと同じ事を行っているということです。
具体的には以下のようになります。
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【STEP1】
<企業>自社分析をする
<学生>自己分析をする
お互いに自らがどんな価値観や志向を持っているかを過去・現在・未来という観点から分析し、採用活動・就職活動の方向性を明確にします。
【STEP2】
<企業>自社で活躍する人材要件を明確にする
<学生>自分が活躍できる会社要件を明確にする
それぞれが価値観や志向を基に選択・判断基準を明確にします。
【STEP3】
<企業>自社を積極的にPRしながら、評価する上で必要な学生情報を収集する
<学生>自分を積極的にPRしながら、判断する上で必要な企業情報を収集する
自らがどんな企業か?学生か?を相手に伝えながら、並行して評価・判断する上で必要な情報をお互いが交換します。
このフェーズが企業からすると選考活動になりわけですが、学生側から見ても同様に選考要素があるということを認識したほうが良いですね。
【STEP4】
<企業>収集した情報を基に自社で活躍する人材か否かを判断する
<学生>収集した情報を基に入社する会社か否かを自らの意思で判断する
最終的な意思決定のフェーズです。
まず企業は選考プロセスで得た情報を基に、対象学生を自社基準に沿って入社して欲しい人材か否かを判断します。
結果的に入社して欲しい学生に対して「内定」を出し、それをオファーします。
一方で学生は、選考プロセスを経て得たその企業の情報を基に、自ら定めた会社基準に沿って入社に値する会社か否かを判断します。
ここで、学生が自らの意思で「内定承諾」の選択をすれば合意形成になるわけですね。
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さていかがでしょうか?
実は企業も学生も同じ手順で、お互いが成長していくための相手探しをしていると思いませんか?
こういった認識を持つと「学生の自己分析が甘い」とか「志望動機が弱い」とかいう企業側の意見に対して、学生も「自社分析が甘い会社だ」とか「私を採用したい理由が不明確」といった意見も出てきておかしくないのですね。
事実学生から、「あの会社の情報提供が少ない」「もっと情報が欲しい」という声や、内定をもらった企業に対して「なぜ内定をもらえたのかが良く分りません」といった声を耳にすることも少なくありません。
上記の採用と就職のプロセスを再度認識し、合意形成に向けた情報交換をする採用活動をお手伝いしたいと思っています。
こういった採用コミュニケーションを意識するだけでも、今問題視されている「内定承諾率」の向上に極めて有効に機能します。
引き続き当社では「入社後の定着と活躍を促進する」採用コミュニケーションをプロデュースしてまいりますので、来年も引き続き宜しくお願いします。