3月に予定している大学のキャリアセンター職員向けの講演資料を作成していて、強く感じたのは、そろそろ学生の就職・採用市場の問題を解決するための具体的な対策を実現させていかなければならないということ。
評論だけでは一向に改善されないことは皆既に分かっているはずである。
そこで僕もひとつの考えを記すことにする。
基本的な発想は「食育」ならぬ「職育」という考えだ。
大学生を中心とした若者が、働くことや目標としている仕事に就いたり、会社に入社することを目指しながら必要となる力を養うような仕組みを作れないか?
既に同じような発想を持っている方々はこの業界の中でも少なくないが、やはりそろそろ実現に向けたアクションが必要な時期に来ていると思う。
ひとつ例を挙げて説明すると、ある企業を受けたいと思う学生がその企業の選考を受けた際に、明確な採用条件の提示を受ける。
例えば夏季休暇などの長期休暇中に受けた企業の事業戦略を研究し、実際に自分でも市場リサーチ等を行って戦略を立案し、実際に営業活動を行い成果を企業側にプレゼンテーションする。
一定基準の成果をクリアしていれば正式に「内定」を取得でき、しかもその「内定」の権利は1年間保有することができ、同時に複数の企業の課題にも取り組むことが許される。
もっとシンプルに、語学力や基礎学力の向上を基準として設けてもいいかもしれない
し、日常的なアルバイトを通して課題を解決できる(認識させ解決させる)テーマを設定するのもいいかもしれない(もちろん長期的なインターンも然り)
つまり選考プロセスに就労の疑似体験、企業の求める採用条件をクリアするために採用基準を明確にすると同時に時間等の資源(場合によっては資産の提供も必要かもしれない)を学生に提供して上げるという考え方である。
謂わば「中長期的課題解決型選考」というのをスタンダード化してはどうか?
既に近いスタイルを導入している企業もあるが、企業側の労力等を考慮すると一般の企業からするとかなりハードルが高いかもしれない。
ただまずは身の丈に合った手法を知恵を絞って絞り出しさえできれば、コストと労力の抑制にもつながる可能性があるはずだ。
もちろん大前提としては現在の「一括採用」というシステムの改革が必要なわけが・・・