学生から経営情報について聞かれたら・・・?

採用担当者が経営情報を把握できていない、的確に説明できないというのは問題

新卒採用活動における学生とのコミュニケーションに、IRで使用される経営情報が重要であるとお伝えしてきました。

この話をセミナーや個別訪問時に、上場企業の採用担当者の方にさせていただいていますが、「そのこと自体はよく理解できるけど、正直採用担当なので経営情報については詳しく把握できていないので学生に伝えるのが難しい」と仰られる方がいます。

確かにその通りだと思いますが、そのまま放っておいて本当に大丈夫でしょうか?

会社を代表して、学生に対する自社の魅力付けを担っている採用担当者が経営情報を把握できていない、或いは的確に説明できないというのは正直問題だと思います。

「会社説明会」を単なる母集団形成と位置付けてしまうと、何となく耳障りの良い情報で、「この会社悪くない」と思わせることが目的になってしまいます。

戦略的にもその手法が間違っているとは思いませんが、学生を動機付けをするとか、共感してもらうためにはもう少し突っ込んだ情報提供が必要だと考えます。

学生は将来の株主

一方で学生、それも物事を論理的に捉えたり、判断しようとする相対的に優秀な学生は、そういった耳障りの良い情報だけで自分の就職先を安易に決めません。

では前述のような優秀と思われる学生は、どんな情報を求めているのでしょうか?

・他社と比較出来る材料が欲しい
・過去の話も重要だが、未来を想像する情報が知りたい
・売上が伸びた(下がった)具体的な理由が知りたい
・現金や資産をたくさん有しているが、今後どこに投資をするのか知りたい
・利益率がここ数年改善されているが、その要因は何か知りたい

まさに個人投資家が知りたい情報と近いと言えます。

仮にそういった質問に的確に答えられる企業(採用担当者)と答えられない企業(採用担当者)は、学生からどう映るのでしょうか?

その結果は容易に想像がつくと思います。

また説明会に参加する学生は、将来の顧客や取引先になる可能性があるから、そのつもりでしっかりと説明するという話は昔からよく言われます。

しかしもう一歩突っ込んで考えてみましょう!

説明会に参加してくれる学生は将来株主になる可能性もあるわけです。

そのためにも、上場企業の採用担当者は最低限の経営情報を把握し、学生の未来や時間の投資活動に対して、自社を分かりやすく、そして丁寧に説明するという職務を背負っていると言っても過言ではありません。

すでに経営情報・IR情報をインプットし、採用活動に活かされている採用担当の方もいらっしゃると思いますが、まだまだ絶対数は少ないと感じています。

まずは学生でも理解できるレベルの経営情報の意味、そこからどんな仮説が立てられるのかといったあたりからインプットし、採用活動におけるコミュニケーションに変化をもたらしてみてはどうでしょうか・・・

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です