一昨日元リクルートエージェントの社長で、現在RGF Hong Kong Limited 社長の村井満さんの講演を聞く機会がありました。
「アジア見聞録」と題して、アジアの人材マーケット開拓を通してリアルに体験した様々な出来事や気付きをとても分かり易く、そして面白くお話していただきました。
主催者曰く、「今日の講演の価値は相当なものです!」
まさに仰る通りの内容でした。
実は当社が採用のお手伝いをさせていただいているクライアントの中にもグローバル人材に興味をお持ちの企業は少なくありませんが、実際に採用活動に腰を上げるとなると・・・
正直私自身も世間の動きを横目に、特定の企業の話であって、一般的にはまだまだハードルが高いだろうと高を括っていたのですが、村井さんの話をお聞きしグローバル採用の重要性を改めて認識するとともに、グローバル採用を身近に感じるようになりました。
印象的なお話が多くあったのですが、中でも以下の3点が私の心に刺さりました。
(1)アジアにおける海外は日本であり、ほとんどの他国は陸続きである
(2)中国の上位大学の学生に人気を博したのは再春館製薬
(3)多くの中国人は日本人をリスペクトしていて、日本から学ぼうという姿勢を持っている
日本は島国なのでほぼ全ての国が海外であり、どうしても他国のことは非日常的なことに感じてしまいがちです。
しかしアジアを始め大陸の各国は陸続きであり、日常的に他国を視野に入れたビジネスを展開しているわけです。
ビジネスマーケットの視野の話ですが、改めて実感した次第です。
それから(2)の話ですが、中国で開催された日本企業の合同会社説明会で日本を代表するそうそうたる企業群の中で最も人気だったのが熊本に本社を構える再春館製薬さんだったそうです。
しかもそこに参加している中国の大学生は、精華大学や北京大学といった上位校中心で中国の国営企業のエリートになれる逸材が多く含まれているそうです。
そういった学生達がなぜ九州に本社を構える再春館製薬さんに興味を持ったかというと、同じようなビジネスを中国で展開したらメチャメチャ面白そう!本社がどこにあろうかは無関係!ここでビジネスを学びたい!だそうです。
ちなみに昨年の4月、再春館製薬さんにはこうした中国のエリート学生60名以上が入社しているんだそうです(@_@;)
そういう意味では、日本の中小企業、ローカル企業にも十分チャンスがあるように思います。
問題は彼らをどうマネジメントするか?という問題ですね。
現在村井さんは香港で日本企業が過去経営に導入してきたことを少しずつ取り入れるというチャレンジを行っているらしいのですが、これが意外とうまくいっているとのことでした。
例えば全社員による朝礼、スローガンの唱和、社員旅行、社内報の発行などなど。
日本でも最近見直され始めているようですが、日本独自の企業文化といわれたこのような施策によってそもそも会社を信頼しない価値観を持つ人種が、まるで家族のような関係性を築き始めたそうです。
相手とそのバックボーンを理解し、信頼関係を築ければこの問題は解決できるのかもしれません。
また(3)にあるようにまだまだ日本の国民性や技術・スキルは根強く評価されているようです。
そういった報道が少なくなっているので、何となく自信喪失気味になりそうですが、日本人はもっと自信を持って世界にアウトプットする必要がありそうですね。
とにもかくにも、勝手に自ら線を引いてしまうのではなくもっとグローバル人材採用を身近に感じることが大切だと思います。
流行り廃りということではなく、グローバル人材を自然と使いこなすくらいの日本企業を創造すること必要性を感じる良い機会となりました。
改めて村井さんに深謝です。