2017卒採用成功のKFSシリーズ、いよいよ最終回です。
最終回のテーマは、「惜しみなく情報を提供し、ターゲット学生に自分の意思で入社を決意させる」です。
基本的にこのテーマは、採用活動全体を通してのお話ですが、このコラムでは内定から承諾に至るまでの期間に限定してお伝えしたいと思います。
まず前提条件として、2016卒採用で変更となった採用・就職のスケジュールについて今さらですが確認をしておく必要があります。
採用広報が3年時の3月1日に開始、選考開始が4年時の8月1日にそれぞれ2015卒の時よりも3か月、4か月「指針」の設定で後ろ倒しになりました。
しかしながら、多くの経団連未加盟企業さん(実態は経団連に加盟している企業も)は2015卒と採用スケジュールを大きく変えなかったために超大手企業との間で採用・選考活動の逆転現象が起きたのです。
つまり2015卒までは基本的に規模間に関係なく、大半の企業が3年時の12月から採用広報を開始し、4年時の4月から選考していたので、超大手の選考が落ち着く5月のGW明けあたりから中堅中小企業が採用活動を本格化させていたので、中堅中小
企業は、大手落ちした学生を夏くらいまでに十分キャッチアップできていたわけです。(もちろん大手とガチンコ勝負して、早期に承諾を得ている企業も多く存在します)
ある意味共存共栄できていたわけですが、2016卒のスケジュールではそうもいかなくなってきたのは皆さんもご存知の通りです。
大手に先行して、3月以降説明会及び選考を実施し、例年通り5月頃から内定を出し始めたにもかかわらず、なかなか学生が承諾してくれない。
また時期が早いがために、大手に受かる学生に内定を出す中堅中小企業も少なくなく、結果的に8月以降オセロゲームのようにひっくり返されるということがずいぶんおきました。(大手企業の選考基準がある程度緩和されたという要因もあります)
これは一部で「大学入試方式」と呼ばれているそうですが、1~2月に私立大学を受験し、まずは保険を確保してから3月の国公立大学を受験する構図と似ていますね。
このような環境下で、大手の選考が本格化する7月末までにいかに内定承諾させるかを考えなくてはならないわけです。
ではどうすればよいのか?
特効薬があるわけではありませんが、ひとつ言えることは、内定をもらった時点で内定者に「この会社は自分に合っている」「この会社で頑張ろう!」といった感情を芽生えさせられれば、全員とは言えないものの一部の学生は内定を承諾します。
それも周囲からの意見や環境に影響されるのではなく、あくまでも自分の意思で。
例えば、内定の出し方・伝え方ひとつでも学生の気持ちは動きます。
単に「内定です」と伝えるではなく、どんなところを評価したか?入社後の期待値などのメッセージを添えて伝えるほうが良いに決まっていますよね・・・それも社長が直々に。
また今年強く感じたのは、素養や能力は一定以上あるのに早期の選考活動時に学生の就労観が醸成されていなかったり、会社や仕事の理解が深まらないまま内定をもらい、ピンと来ないまま何となく就活を続けている学生が多かったように思います。
そういった学生に対する打ち手として有効なのは、内定後に改めて自己の人生を考えさせると同時に、会社選びの基準を明確にする支援をしてあげることです。
自分はどんな特性を持っているのか?だからどんな生き方・働き方をしたいのか?そのために重視する企業選びの基準とは一体何か?
更に基準がある程度見えてきたら、その基準で判断するために必要な情報は何か?を一緒になって考え、不足している情報があれば惜しみなく提供してあげる。
既に説明会や面接時に伝えているからそこまでしなくても・・・ではダメです。
内定者たちは、多くの企業情報をインプットできる環境にありますので、頭の中は混乱しているケースが少なくありませんから。
他にも様々な手法がありますが、重要なことは学生が必要としている情報を惜しみなく提供し、学生自身に意思決定させることです。
経営上の意思決定において情報の量と質は不可欠なのと同様に、学生も最初で最後となる新卒での入社先を決める上では、多くの的確な情報が必要でなのです。