「職育」という概念

ひと月半ほど前に、大学の職員向けの講演内容をブレストしている時のこと。

「職育」という言葉を思いついた。

一般的に「食育」という概念は浸透しているわけだが、僕の知る限り「職育」というワードを使っている方はあまり知らない(既にGoogle検索でもいくつかヒットするようではあるが…)。

「食育」とは、まさに「食」に関する教育であり、人が生きていく上で最も重要な「食」という行為の在り方やその選択方法を習得するということである。

だとすれば「職育」とは、人が生きていく上で重要な「職(働く)」ということの意義やその選択方法を習得することと言ってもよいであろう。

ただ「食」は、人間の生命上最低限必要なことであり、欠かすことのできない行為なのだが、「職」はそういう意味では生まれながらに財産・資産を持つ人間であれば絶対に必要なモノではない。

人生を精神的にも経済的にも楽しく生きていくための行為であり、詰まる所自分自身の存在意義を発揮する術であると言える。

そういう意味では「食育」と「職育」を同等の視点で語ることはナンセンスなのかもしれないが、これからの日本を活気ある国にしていくためには必要な教育だと感じる。

今日僕は、今の若者に必要な「職育」の要素を考えてみた。

僕自身はキャリア教育やカウンセリングのスペシャリストではないので、あくまでも個人的主観であるが、今のところ下記のような要素(基本的にはそういった機会や場)が必要ではないかと考える。

  1. 自分自身の価値観・志向・資質・能力の把握
  2. 将来の夢・目標の仮設定
  3. 働く動機・目的の形成
  4. 就労体験
  5. 社会情勢・企業情勢の理解
  6. 企業・社会人とのコミュニケーション
  7. 働く覚悟の熟成
  8. 若者と企業のマッチング

最近では大学においてキャリア教育という概念が根付き始めているので、1.~4.はかなり浸透し始めていると思われる。

ただそうはいってもアカデミック或いはテクニカルな部分も少なくなく、まだまだ改善の余地があろうと思われる。

問題は5.~8.だという風に考えている。

個人的に例えば大学生あれば、1.~4.を低学年のタイミングで学び、就職活動を通して4.~5.を体得すればいいのではないかと思っているのだが、そもそも学年で区切る必要もないというのが本音である。

中でも8.「若者と企業のマッチング」という点に注力する必要があると思う。

プロセスを経て、自分と企業をセルフマッチングする力量が求められ始めているように思う。

それは世の中全体における世代間コミュニケーションや若者の自己認証力の低下や起因する部分があると思われる。

乱暴な言い方をすると「職育」とは自分と企業(社会)とを自分自身で繋ぐセルフマッチングという考え方に行きつくのではないだろうか?

そのためのプロセスを我々大人や大学のような教育機関、行政が責任を持って行わなければならない時代が来たのだと認識している。

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