「内定承諾率を上げる、内定辞退率を下げる」

2016年卒の学生に対する採用広報の解禁まで残すところ2週間ほどになりました。

既に選考活動を実施していたり、中には内定の提示をしている企業もあるようですが、実質的にはこれからが勝負になってくると思われます。

私も複数の企業様の採用活動のご支援をさせていただいていますが、現時点では学生との接触ポイントの創出と、相互理解を深めるというフェーズが大多数です。

一方でもう少し先のフェーズの戦略立案に注力している企業も少なくありません。

それが「内定承諾」に関連する戦略です。

背景としては、売手市場や学生の二極化、更には今年から導入された選考スケジュールの後ろ倒しがありますが、個人的にはそれ以上に選考を通して今ひとつ学生の企業理解が深まらないということが影響していると思います。

企業の皆さんは、より自社を深く理解してもらうためにあの手この手で自社の情報を提供しているわけですが、それがなかなか学生に刺さっていないという現象が特に昨今の採用活動では顕在化している感があります。

当社ではここ数年来、内定を出した学生の承諾を促進させるためのプログラムを提供させていただいているのですが、内定者と接して感じるのは、想像以上に企業のことを知らない、職場環境を知らないという状態が散見されます。

ではなぜそういった状況が起きているのか?

もちろん学生の理解力の問題もあるのでしょうが、それ以上に企業が知って欲しい情報と、学生が知りたい情報に乖離があるのではないかと考えます。

また合わせて、学生が受け止める就職情報の多さも影響しているのではないでしょうか。

しかしながら、いち企業が就職情報の量をコントロールすることは現実的には不可能ですから、結果的に企業が知って欲しい情報と学生の知りたい情報の乖離を埋める努力をすることになるわけです。

そのひとつの戦略が「内定承諾」に関するものです。

ここで着眼すべきなのは、企業の採用方針や体制によって発想が2つに分かれるということです。

それが、

●内定承諾率を上げる
●内定辞退率を下げる

という考え方です。

結果的に一人でも多くの内定者に承諾をして欲しいという根底は同じなわけですが、実はこの2つの発想の違いはそのまま戦略・戦術の違いとして現れます。

もう少し詳しく言うと「内定承諾率を上げる」という発想は、どちらからと言うと攻めのスタンス、選考フェーズ(基本的には選考の後半)で、この学生は絶対に採用したいという学生に内定を出したら即承諾をしてもらうために事前にワクチンを投入するという考え方です。

一方「内定辞退率を下げる」という発想は、攻めるというよりも対処法に近く、既に内定を出した学生(内定者)の取りこぼしを避けるための処方箋を出し、〝迷う″という症状に然るべき薬を投与するという考え方です。

前者の「ワクチン投与型」の場合、数よりも質を重視する傾向が強く、最終選考前あたりのタイミングに改めて自社と学生の価値観を刷り合わせたり、入社後をシミュレーションさせるなどの施策が有効的です。

後者の「処方箋投与型」の場合は、質よりも数を優先し、多数の内定者に対して就職先を決める上での迷いを払拭出来るような支援や情報の提供をして上げるというような施策が効果を生み出します。

冒頭にお伝えしている通り、売手市場化とスケジュールの後ろ倒しによって3月以降の採用活動が流動化する可能性がある2016卒採用においては事前にこういった対応を準備することが重要です。

結果的に取り越し苦労になるにこしたことはありませんが、念には念をですね。

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