ここ1ヶ月の間に複数の企業さんより、若手人材の中途採用のご相談が増えてきました。
「25歳前後でビジネスの基本を身に付けている人材」というご要望が多く、いわゆる第2新卒層の採用需要が高まってきているようです。
そもそも「第2新卒」という言葉(概念)は、求人倍率が3倍近く(1991年の2.88倍がピーク)だったバブル期に新卒採用計画数を充足出来なかった企業が、卒後3年くらいまでの若手人材を4月1日に純粋な新卒と同期入社させていたことが始まりです。
最近では、入社時期に拘らず若手の中途採用全般を「第2新卒採用」として認識されるようになりましたが、2006年(求人倍率1.60倍)あたりよりバブル期同様に新卒採用の補填目的の手法として再び注目されるようになりました。
その後リーマンショックにより新卒市場は冷え込み、自ずと「第2新卒層」の需要も落ち着きをみせていたわけです。
ただ今回の「第2新卒層」の採用需要が盛り上がってきているのは、リーマンショック前或いはバブル期の頃とは背景が違うように思います。
新卒採用の予定数が充足していないということは同じなのですが、以前の市場では学生の内定率がかなり高い数字で推移しており、絶対数の不足が背景にありました。
しかし現在の市場では、学生の内定率がかなり低い状態のまま企業側の「第2新卒」採用需要が高まっているのです。
もちろん企業を取り巻く経済環境や、経営そのももの変化が起因しているのでしょうがが、どうやらそれ以上に企業側としては、新卒で採用できる学生の出現率が低下しているということが背景にあると感じられます。
つまり、採用できる学生の数が減ったので、それを「第2新卒層」で補填するという意志表示なのではないでしょうか。
少しでもビジネスマンとして基礎教育を受けている若手の人材、或いは何かしらの理由で新卒市場に存在しないポテンシャルの高い若手の人材を採用するという方針は、生き残りをかけた企業にとって至ってまっとうな判断と言えます。
個人的には前述の「何かしらの理由で新卒採用市場に存在しないポテンシャルの高い若手人材」の採用に特に積極的になるべきだと考えます。
卒業後に正社員ではなくアルバイトとして活躍している人材や、NPOやボランティア活動に従事している若手人材の中には、非常に高いパフォーマンスを発揮できる人材が多く存在しています。
そういった人材の採用ノウハウを当社としても構築していこうと考えています!
但し一方で、根本的な課題は採用基準に満たない学生の増加です。
この問題については、別の機会に私なりの意見をお伝えしたいと思います。