「志望動機だけで合否を決めていませんか?」

先日なかなか内定を取得できないある学生と面談をする機会があったのですが、その彼は「就職活動は『志望動機』で決まる!」と言い切り、その構築・言語化にパワーを割いていました。

なぜそこまで『志望動機』に拘るのか?という私の質問に対して、彼は「必ず聞かれることですし、志望動機の良し悪しで合否が決まりますから・・・」と小さな声で答えました。

確かに面接の場で、「どうして当社を受けようと思ったのですか?」という質問はたいていの企業がします。

そして「自社への志望動機が不明確」という理由で不合格になることがあることも事実です。

しかしどうも「志望動機の良し悪しで合否が決まる」ということには違和感を感じずにはいられません。

学生が「自己分析」と「業界研究・企業研究」をし、その上でセルフマッチングを行い、受ける企業を選択すること自体は否定しません。

但しそのプロセスを踏まずして、付け焼刃的な『志望動機』、どの企業にでも当てはまるような『志望動機』をPRする学生が相当数存在することを理解していなければなりません。

また中身が薄くても、多少プレゼンテーション能力に長けた学生は言葉巧みに『志望動機』を語ることができますので、聴く側のスキルも求められます。

何となく「私のどんなところが好きなの?」「私をどれくらい好きなの?」といった企業側の質問に対して、「君の優しいところが好きなんだ!」とか「君を世界中で一番愛しているよ!」と器用な学生が気持ちを込めて囁くという恋愛シーンような印象も否めません。

まぁそれで合意形成がなされ、継続的な雇用に繋がるのであればいいのですが・・・

たいていの場合は内定承諾後や入社後に、より細部が見え始めた両者に少しずつ亀裂が入っていくなんてことになりかねないといったところでしょうか。

そもそも企業側は、『志望動機』が高い・響きが良い学生を採用するのではなく、自社で活躍できる可能性の高い学生、仕事で成果を上げてくれる学生を採用したいわけで、『志望動機』はあくまでもその判断をするためのひとつの材料でしかないはずです。

あまりにもそこに注力し過ぎてしまうのはリスクと考えるのが自然だと思います。

もちろん自社に対する志望度が高いということが重要なファクターであることは間違いありませんが、それよりも優先すべき判断材料があるということです。

そしてそれを見極めるような選考方法が必要となってきています。

それを実現するには、やはり「面接」という選考手法だけでは難しくなってきました。。。

「面接」以外で両者の相互理解を深め、合意形成に繋がっていく選考手法の開発が急務になってきていることは間違いないようです。

 

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