『ナビでエントリーしてこない学生の中に、きっと良い人材がいるはず』
『当社の業界を志望する学生にはあまり興味がわかない』
『潜在的な当社ターゲットはどこにいるのだろうか?どうやったら応募してくれるのか?』
こういった企業さんからの言葉は、少なくとも私が採用に携わり始めたころから耳にしてきましたが、昨今その傾向が強まったように思います。
背景として考えられるのは、就職サイトの業界検索により、学生が特定の業界に絞って企業探しをしていることが挙げられるのではないでしょうか。
それもその業界の業務内容や仕事のやり方を理解し、「自分と合う」という確信をもってということではなく、何となくカッコいいから・・・よく知ってるから・・・という理由が少なくありません。
何ともお恥ずかしながら、25年前の私もまったく同じ理由で広告代理店とアパレル企業に絞り込み就職活動をしていましたが・・・
そういう意味では、学生が会社選び・仕事選びをする際の選択基準に、業種・業界以外の術を見出せていないということだと考えられます。
せっかく「自己分析」をし、過去の体験や決断から自分の性格はもとより、価値観や志向を整理しているにもかかわらず、それを無理やり業種・業界という軸でしかセルフマッチングできないということが問題のように思います。
そこで最近増えてきている採用ソリューションが、異業種同士の企業がそれぞれ自社のエントリー者を混合して集め、企業選びの方法を学生に伝授しながらセルフマッチングを促すというセミナーです。
そのセミナーを通して、学生が新たな企業選び、セルフマッチングの方法を知り、結果的にそれまで意中の相手ではなかった企業と出会い、雇用に繋がるというにはことは学生と企業の両者にとって非常に意味のあることだと思います。
だいぶ前に某大手事務機器メーカーさんが主導で、日本のそうそうたる大手企業さんが同様の取り組みを行っていましたが、今考えるとかなり先進的な活動だったのですね。
また私個人の考えでは、業種・業界に限らず、企業規模が違う企業同士がコラボして、それぞれの仕事のやり方の違い、働き方の違い、10年後のイメージなどをシッカリと学生に伝えるようなセミナー、或いは同業他社が複数社集まって行うのもユニークな就職セミナーになるのではないかと思います。
扱っている商品やサービスが同じでも、その歴史やそこに込められた思いの違いを理解すると、学生は自分がどちらに向いているかを判断することができます。
分かり易い例では、同じパソコンメーカーでも、アップル社とHP社の思想の違いは明らかでしょう。
既に各方面で実施されているこのソリューションですが、問題も少なくないようです。
当社でも再度「コラボレーション採用企画」の企画を検討したいと考えておりますので、具体的になってきましたら改めてリリースしたいと思います。