昨日の日経新聞に気になる記事が。
今日のブログのタイトル、“新卒採用の解禁「4年生の夏以降に」”
具体的には三井物産や三菱商事などの大手商社7社が、日経連に対して新卒採用の活動時期を遅らせるように呼びかけるというもの。
既に形骸化している日経連の「倫理憲章」の見直しを要請したわけだ。
大手商社という学生からは人気の高い企業が提案したということで今後議論が盛り上がってくる様相を呈している。
僕が就職活動をしていた昭和62年は、確か4年次の7月が採用活動の解禁であった。
その当時は「倫理憲章」ではなく「就職協定」なるルールだった。
実際に僕は4年次の夏から活動をし、最終的に内定を取得したのは9月中旬。
就職活動を行った期間はおそらく2~3か月程度となる。
まぁこれが良いか悪いかは別にして、今の採用・就職活動の早期化はやはり多くの弊害を招いているのは事実だ。
3年次の夏から秋にかけてインターンシップや早期の就職セミナーがスタートする。
本来ならば専門課程の重要な授業が目白押しの時期に、就職活動を優先せざるを得ないのが今の大学生。
これについては大学側も危機感を持っている。
新聞記事にもあったが、その影響で海外留学を断念したり、本来学生時代だからチャレンジできる体験を回避する傾向があったり、授業への出席率の低下など。
ちなみに2001年に約47,000人にいたアメリカへの留学生は2008年には約29,000人にまで減少しているという。
経済的な問題も影響をしているわけだが、ちょっとさびしい数字である。
だからと言って採用・就職活動を後ろ倒しにすればいいか?
単純にそれだけでは解決する問題だろうか。。。
個人的にはもっと本質の改善が必要だと思っている。
それは前述のような体験の場の創出である。
「体験格差」が就労観の定価に繋がっていることは間違いのない事実であり、まずはその機会を増やす施策が必要である。
そういう意味では体験をするために必要な時間を学生に提供するために、スケジュールを後ろ倒しにするということはひとつの手法である。
しかしそのあたりの議論なしに、単にスケジュールを遅らすだけでは余計に学生の焦りを助長することになりかねない。
大局を見据えながらの議論が必要なのだ。