前回のコラムで、「恋愛と結婚」を例に採用ターゲットの要件定義の重要性をお伝えしました。
今日は「2017卒採用成功のKSF その①」と題して、ターゲット学生のセグメンテーションの手法についてお伝えしたいと思います。
その前に採用活動とは、「恋愛と結婚」と同様に企業と学生の両者がお互いの理解を深めながら、合意形成をする活動であることが前提となります。
ではその対象となる合意形成をしたい学生達はそもそもどんな学生で、普段どこにいて、どんな生活パターンをしているか?を考えましょうというのが、今回のテーマです。
まずやらなければならないことは、前述の「合意形成したい学生とは誰なのか?」を明確に言語化することです。
その際重視すべくは、「自社の組織に合う特性の人材か(組織適性)」「自社の業務を遂行できる特性(要件)を持ち合わせている人材(職務適性)」という視点を持って考えることです。
またあわせて、その要件は絶対的に必要な要件なのか?それともあったら望ましい特性(要件)なのか?という視点を持つことが求められます。
更にいうと、事前に不採用の要件(その要件が該当する場合は無条件に不採用にする)や、採用時には基準にしない要件(多くの場合は入社後に教育でカバーできると要件)も明確にしておくと採用基準の平準化にも繋がりますので、おススメです。
ここがはっきりすると次は、その要件を持つ学生の行動パターンやコミュニティを想像しながらセグメンテーションを行っていきます。
このセグメンテーションの作業は、マーケティング的視点から以下の6つのポイントに留意するのが良いと思います。
①客観的に分けられること
②市場性があること
③細かく分けすぎないこと
④再現しやすいこと
⑤セグメント間に差があること
⑥到達できること
まず①の「客観的に分けられること」という視点ですが、一般的に「Yes/No」で分けられる基準で想定していきます。
例えば、「体育会に所属している」「Facebookで500人以上の友人がいる」「アルバイトは同じところで3年以上勤めている」「大学の成績で『優』の数が○個以上ある」など。
②③については、ある意味神様スペックにならないように、そもそも一定数の学生が存在するか否かという観点を持てばよいと思います。
④の「再現しやすいこと」ですが、仮に「リーダーシップのある人材」という要件を設定し 「リーダー経験がある」といったセグメンテーションを行ったとします。その場合、偶発的な経験までを含んでしまいますので、「リーダー経験=リーダーシップがある」とは言い切れません。つまり再現性が担保されていないので、こういった場合は「複数回の経験」をセグメンテーションの条件にするといった対応が必要になります。
⑤の「セグメント間に差があること」については、例えば文系学生の学部でのセグメンテーションなどがそれに該当します。司法試験を目指している学生が多い大学の法学部等はやや特殊ですが、一般的に経済学部・経済学部・社会学部などでセグメンテーションしても基本的に人的質に変わりはないと言えます。
最後に⑥の「到達できること」ですが、せっかくセグメンテーションしてもその対象者にリーチ出来なければ意味がありませんので、現実的にその手法(媒体等)が存在するか?という点にも注意する必要があります。(新たにその手法を考え出すという発想は当然重要ですが・・・)
このような段取りで、採用ターゲットを明確に言語化し、その学生の行動パターンを想像しながらセグメンテーションしていくわけですが、最もポピュラーな手法は、既存社員(特にハイパフォーマーと呼ばれる活躍人材)の持つ特性と学生時代の行動パターンやコミュニ
ティをリサーチすることです。
大きな負荷もコストもかけずに比較的短期間で実現可能です。
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