「会社を活性化させる、インターンシップ」

「会社を活性化させる」3つの要因

昨日、岩手県盛岡市で「会社を活性化させる、インターンシップ」というテーマで講演をさせていただきました。

参加されていた企業の多くは、インターンシップを導入したいがどうすれば効果的なインタ-ンシップになるかが不安という課題を抱えられていたようです。

テーマである会社の活性化させるという点では、優秀な新卒採用に繋がるいわゆる採用目的のインターンシップが最も分かりやすく、導入の障壁が低いと言えます。

ですから今回の講演でも、採用目的のインターンシップを導入する上での注意点やテクニックなどについてお話させていただきましたが、それ以上に今回のコラムのタイトルにある「会社を活性化させる、インターンシップ」について多くの時間を割きました。

「会社を活性化させる」というのはやや広義な意味合いになるので、もう少し詳しくお伝えします。

まずは「会社を活性化させる」を以下の3つに因数分解してみました。

①企業ブランディング
②会社の業績を上げる
③既存社員を成長させる

①企業ブランディング

①については「採用目的」に近いと言えますが、インターンの学生と一緒に地域活性のためのボランティアを行うなど、特定のターゲットを対象にしたブランディング戦略として導入するケースがあります。
今回は②③について、事例を交えてご紹介します。

②会社の業績を上げる

②の会社の業績を上げるという目的ですが、単に営業の戦略として活用するわけではありません。
とある、コンビニ等にお弁当やおにぎりをコンビニ等に卸してい中小企業の社長は日ごろより、廃棄ロスによる利益率の低下を経営上の大きな課題として捉えていました。
この課題を既存社員を活用して解決したいと考えたのですが、本業が忙しくなかなかプロジェクトが立ち上がりませんでした。
そこで、地元の大学生をインターンに向かい入れ、賞味期限が切れる前の商品を安価で企業の昼食として買っていただくという新たな販路開拓に成功しました。

一般的には会社で保有する資産やリソースを活かして新規事業を企画立案させるというインターンシップもありますが、もう少し現実的な路線での事例です。
また別の企業では、業務の特性上社員の多くが栄養士で、人材を育成するという意識がなかなか社内に浸透しないという課題を抱えていました。

この課題を前述の企業同様に大学生のインターンで解決できないかと考えたわけです。
インターンに顧客満足度調査という業務を任せるわけですが、本来の目的はそこではなく、そのインターン生を栄養士である既存社員にマネジメントさせたのです。

日々の日報のやり取りや、面談やフィードバックを実際にやらせることで、人材教育の難しさややりがいを感じさせることに成功しました。

③既存社員を成長させる

結果的に既存社員を成長させることにもなり、インターンをマネジメントする経験をした栄養士の有志数名が、社内の研修プログラム開発に携わることになったそうです。

こういったインターンシップを行うことで、結果的にインターン学生が自社に興味を持ち、入社に至るケースは少なくないのです。

つまり採用以外の目的でインターンを受入れたのだけど、副次的に採用までうまくいく可能性があるということです。

今回ご紹介した事例以外でも、インターンシップ導入により会社を活性化させることは可能であり、経営課題に解決という視点でのインターンシップがもっと広がっていって欲しいと考えていますし、当社でも本格的に取り組みたいと思っています。