“採用したい学生と相思相愛になる選考プログラム”に関するお話の最終回は「合意形成型面接」についてです。
「共感型会社説明会」「本質評価型選考」を通して、相性が良く要件を満たした学生との距離が近付いてきたら、最後はお互いの意志の確認、つまり雇用関係を形成するための合意形成を行うことになります。
「面接」というと「圧迫面接」という言葉もあるように、面接官が緊張した学生に次々と質問を浴びせるという一見企業優位なイメージがあります。
その難関をクリアしようと必死に面接対策や情報収集に勤しむ学生もかなりレベルアップしているという話も良く耳にします。
そもそも面接とはいったい何のためにあるのでしょうか?
学生の資質や価値観、ポテンシャル等を評価するための選考手法であることは間違いないのですが、学生の面接の対する傾向と対策力がレベルアップしていく中では、その意味自体も変わりつつあるようです。
誤解を恐れずに言うと、企業と学生の化かし合い的な面接では、両者の納得のいく雇用関係は築けないと思います。
だとすれば、「面接=選考」という発想のパラダイム転換をしてはどうかと考えたのです。
ではどのように転換するのか?
それが前述の通りの「合意形成」を行うための手段として位置づけるということです。
面接というよりも面談というニュアンスに近いかもしれません。
企業と学生の両者が、お互いの評価をホンネで伝え合う作業といっても良いと思います。
恋愛に例えると、単に「好き」よりも「○○が好き」「□□という面が好き」と言った具合に具体的な愛情表現の方がより相手に伝わるのと同じようなことだと思います。
企業は選考を通して、学生に評価のフィードバックをして上げることが重要なのです。
「選考時でのキミのあの行動が、当社で必要な能力なんだ」「あの場面での○○といった発言がキミが本質的に誠実である証だ」といったフィードバックをされたら気分を害する学生は皆無だと思います。
また「□□といった点はまだまだ鍛えなければならない。それは当社の業務を通して十分改善できるから安心してもらって構わない」といった改善点とその改善方法が当社にあるという言い方も学生にとっては非常にプラスに聞こえます。
逆に企業の課題等も学生から聞き出し、その改善に一役買ってもらいたいというメッセージを伝えるのも非常に有効的であり本質的な手法だと思います。
ここまで書いて改めて思いましたが、自分のことをシッカリとみて評価し、良い面も悪い面も受け入れてくれる相手を求めるという点で、本当に採用(就職)と恋愛は類似していますね。
まさに企業も学生も「相思相愛」を求めてるのでしょう。