昨日の日経新聞。
15面のマーケット総合2の「大機小機」に珍しく新卒採用に関するコラムが掲載されていました。
要約すると、本年度導入された2カ月遅れの採用スケジュールが方向としては望ましいかもしれないが、中途半端で社会が必要とする人材が育成されず企業の競争力にマイナスの影響を与えかねないのではないかというものでした。
タイトルの通り、採用活動そのもの自体を論ずるというよりもあくまでも企業経営・日本経済にとってどのような影響をきたすかという視点のコラムでしたが、企業が目先の利益確保のために結果的に悪い選択をするケースと同じになることを危惧した内容でした。
また結論として、学生が大企業を目指して費やす時間を短くし、中堅以下の企業へ目を向けさせる時期を早め、勉学に身を入れる時間を長くさせ就職活動の期間を短くすることが合理的な解決策ではないか…と結んでいます。
何となく最後の結論は矛盾をはらんでいるような気がしますが、社会で役立つ人材を育成するためのシステムの再構築が必要になってきているということには賛同できます。
但しそれは単に大学を始めとした教育機関だけに依存しているようでは本質的な解決にならないと思います。
やはり国家レベルでの取り組みが必要な時期に来ているのではないでしょうか。
既に厚労省・文科省・経産省を中心にいくつかの施策が取り組まれているようですが、どうも各省庁の連携不足が否めません。
様々な課題があるのは百も承知していますが、個人的な意見としては企業関連の所轄である経産省がイニシアチブを取り、厚労省や文科省と連携しながら、これからの日本を支える人材の輩出を目的とした施策を導入して欲しいと思います。
特に中堅中小企業で、事業や組織を成長させることができる人材の輩出が急務です。
中堅中小企業は自らの将来を担う人材の育成に取り組むためにももっと積極的に現場を学生に開示・開放するべきではないでしょうか?
それを経産省を中心とした行政が支援する。
採用時期を数か月動かすといった目先の対策を施すのではなく、また形式的なインターンシップという制度にとらわれることなく、フレキシブルに学生が学業に支障のない程度に中堅中小企業と接点を持てる仕組み作りが必要です。
結果的にそれが時期にとらわれることのない就職・採用に自然と繋がり、更には中堅中小企業の長期的経営の安定化に繋がっていくようになる。
そんな理想的な施策を微力ながらも引き続き考えていきたいと思います。