人材ビジネスの価値とは?

8月下旬にしては尋常ではない暑さの中、今年の春にご縁をいただいた元同業(最近業態転換された)の社長のところへご挨拶に行ってきた。

実は僕と同じ年の経営者なのだが、会うたびに自分自身の未熟さを感じてしまう奥深く説得力のあるお話をされる方である。

その社長と「人材ビジネス業界」について意見交換をしたのだが、共通の認識を持ったのはこの業界の存在価値が薄れつつあるということであった。

実は僕が昭和最後の新入社員として社会人デビューした時は、「人材ビジネス」という業界カテゴリーは存在せず、認識としては「求人」に特化した広告業といったところ。

ちょうどその時代あたりから派遣法の改正や人材斡旋が徐々に普及し始めたこともあり、「人材ビジネス」というカテゴリーの原形が出来上がりつつあったのかもしれない。

当時から20年強が経過しているわけだが、その間確かに「人材ビジネス」という業界カテゴリーは確実に確立してきた。

3年ほど前は、就活アンテナの比較的高い学生達は挙って「人材ビジネス」で働きたいと手を上げたものだがここ1~2年、めっきりそんな学生は減ってしまったいる。

そういう意味でも「人材ビジネス」のピークは2008年(リーマンショック前)だったのかもしれない。

この状況を招いた要因はもちろん経済環境を含め数々あれど、やはり業界に身を置く当事者の意識の問題も大きいのではないか?

不況下全ての業界において利益水準が低下していく中で、特に人材ビジネス業界はリーマンショック後にその対応に追われてきた。

いかに利益を上げるために業務の工程を効率化していくか?

その発想は普通に考えても間違っていないし、経営としての常套手段である。

でもそれができないで苦しんでいる人材ビジネス会社の経営者は少なくない(経営者としての能力はさておき、僕自身もその点では葛藤を繰り返してきた)。

なぜそこに突き進めないかというと、それは人材ビジネスの価値への拘りを拭いきれずにいるからなのではないだろうか?

それはどんな価値か?

なかなか言語にするのは難しいが、誤解を恐れずに言うと「人」という意志を持った存在を扱うがための「慣性」とでもいうか、俗人的な感覚による付加価値のようなもの…

何とも歯切れの悪い表現だが、いずれにしても「機能価値」だけではない「感性価値」の提供ができなくなるのは個人的には寂しい限りである。

この問題、今後の僕の一つのテーマでもあるので引き続き見解を今後も述べていくことにしよう。

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