今更ですが、学生の就職活動は究極の「セルフマッチング」です。
100%実現できるかどうかは別としても、過去の自分を掘り下げ、未来の自分を創造できるフィールドを自らで見つけ出す活動を行っているわけです。
そのために自己分析を行い、自分の価値観や志向を明確にし、そして業界や企業研究を重ねることで、自分と企業をマッチングする。
最近この「セルフマッチング」を的確に行える学生が非常に少ない印象があります。
一生懸命自己分析をして、何とか「自分とは何者か?」を導き出すことは行ってはいるもののマッチングという行為がどうも苦手なのでしょうか?
理由はいくつかあるのでしょうが、私個人の見解としては、
■そもそも就職活動を「セルフマッチング」と認識していない
(相手を理解し、自分との接点を見つけ出すことができない)
■自己分析から導き出す自分の評価が絶対だと思っている
(評価は他人がするという認識がない)
■情報量が多過ぎて、上辺だけの企業理解しかできない
(相手を理解している気になっているが、相手の本心を理解できない)
まるでAKB48のセンターのアイドルに必死にアプローチはするものの相手にされていないことに殆ど気付いていないような感覚です(苦笑)
何となくですが、最近の学生は恋愛下手なのも頷けてしまいます。
しかしこの現象を学生のせいだけにできないのも事実です。
学生の自己分析までを企業側が入り込んでいくことは現実的には困難(中にはそういったところまで踏み込んだ採用活動をしている企業もありますが)ですし、本来は大学や親といった周囲の大人達が支援をすべきだと思います。
その前提で「セルフマッチング」の相手方である企業も情報の発信の仕方や選考上での学生対応において工夫が必要だと思います。
まず情報発信ですが、できるだけ本質的な情報を提供することが求めらます。
単に母集団を増やすことを目的に美辞麗句を重ねても、結果的にミスマッチを生むことが多く、両者にとってあまりメリットがありません。
出来るだけ肉声で、強みだけではなく課題等の情報も提供するのが望ましいと思います。
それから選考時に、極力学生評価をアウトプットすることが大切なように思います。
学生を傷つけないような曖昧な言い回しよりも、ズバッと「君の●●という点が当社とは合わない!」「君はもっと■■を重視する会社の方が成長できる」といった企業目線で適切な評価を明確に伝えて上げることです。
それによって学生達が、自分は企業から或いは社会からどんな評価をされているということを認識するようになると思います。
結果的にそう言った採用活動が採用成功の確率を向上せるのではないでしょうか?