ミスマッチではなくアンマッチ

新卒採用市場で「ミスマッチ」という言葉が使われるようになって久しいですね。

皆さんこの「ミスマッチ」を一体どう捉えていらっしゃいますか?

一般的に「ミスマッチ」とは、相性のよくない組み合わせのことを言うのでしょうが、雇用のミスマッチという意味では「企業と求職者の間における意識などのズレをさす」とされています。        ※はてなキーワードより

新卒採用市場で、求人倍率が「1」を超える状態にもかかわらず、未内定者を大量に輩出してしまっている状態、つまり学生が大手志向になり、採用意欲の高い中小企業に応募者しない状態。

或いは企業の求める人物像と求職者(学生)の実情の違いを単に「ミスマッチ」と表現することも多いように思います。

確かにそうなのでしょうが、いずれにしても何となくシックリこないんです。

そんな中、昨日ある方と意見交換をしていた時にふと気付きました。

その方は金融機関出身で経営企画畑を長年歩んでこられた方なのですが、その方がリクナビを眺めながら、ある会社を理解するのに30分かかったという話をされました。

それだけのキャリアを持つ方が、学生の企業発見ツールであるリクナビで1社の会社を理解するのに30分もかかったということが、私にとってはある意味目から鱗だったのです。

事業内容、戦略・ビジョンといった、学生にとってその企業を理解する上で不可欠な情報が社会人目線で表現されていることが少なくないようです。

我々はビジネスを通して企業を見る目を養ってきました

しかし社会経験の乏しい(企業勤めをしたことのない)学生には、企業活動自体の予備知識がない状態でリクナビをみて企業を理解しようとします。

それも大量且つ画一的なフォーマットに基づいて…

私は学生に企業の説明をする際に、『誰に対して、どんな価値を提供し、どの程度の対価を得ているか?』をベースに話すようにしています。

出来るだけ学生の日常生活に沿ったストーリーで。

その流れでそれを裏付ける経営方針や事業戦略・戦術等の話をして上げるとそこそこ理解が深まることを実感しています。

私の理解力が低いというのもあるかもしれませんが、リクナビ等に掲載されている企業情報をみていると学生には難しいだろうなぁと思うことが少なくありません。

これでは「ミスマッチ」というよりも、マッチさせるための情報を学生が理解できていないとするならば、それはもはやマッチ出来ない状態、つまり「アンマッチ」と言えるのではないでしょうか?

何度もこのコラムで書かせてもらっていますが、学生が業界や企業を理解する努力をするのを前提に、企業側も自社を学生に分かり易く伝える努力をする必要があります。

「ミスマッチ」の前に「アンマッチ」を軽減することから始めてはどうでしょうか。

 

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